(株)岩波書店

最終更新日: 2008/11/22 06:00:02

出版者情報

国別記号 4
出版社記号 00
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ヨミ イワナミシヨテン
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世界金融危機 (岩波ブックレット NO. 740)

世界金融危機 (岩波ブックレット NO. 740)
金子 勝; アンドリュー・デウィット;

通常24時間以内に発送 (2008/11/22 06:00:03(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 504 (ISBN : 4000094408, 2008-10)


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薄い冊子ながら、今起こりつつある危機がどのようなものか、そしてこれからどのようなことが予測され、我々はどのように対処していけばよいのか、しっかりと書かれている。

本書は、著者が雑誌「世界」に2008年7月から10月まで連載した記事をまとめたものである。そういう意味では、表題の通り、今まさに起きつつある金融危機を生々しく論じ、臨場感のある冊子に仕上がっている。

著者の指摘は、鋭くかつ的確である。
今回のリーマンショックによる危機が表面化し、実体経済に影響が見られるようになる以前から、信用収縮は企業倒産をさらに増やすとしていたが、現実に指摘の通りの動きになっている。
また、米国中心の「金融資本主義」は破綻しつつあり、我々は今大きな歴史の波動の中に生きているという。

では、直面する経済危機に日本はどう立ち向かうべきか。著者は、自然再生エネルギーへの転換を進め、環境エネルギー政策で雇用を作り出す環境エネルギー革命をあげている。

薄い冊子ながら、今起こりつつある危機がどのようなものか、そしてこれからどのようなことが予測され、我々はどのように対処していけばよいのか、しっかりと書かれている。
(レビュー日:2008-11-15)

濃厚な金融危機論

問題点と内容を絞りに絞った濃厚な味わいを持つ金融危機論です。以下要点をまとめてみました。
ご参考にどうぞ

第1章「影の銀行システム」の崩壊
   銀行、証券会社は本体以外に運用会社を持ち、証券による信用創造機構を作っていた。
   この運用会社は、本体の連結対象外、プロ同士相対取引、FRB、SECの監督規制外
   という特色を持っていた。
第2章つぎの津波がやってくる
   87年のブラックマンデー、98年のLTCMの危機では実体のバブル崩壊とずれが
   あったが、今回の危機では信用収縮と住宅バブル(実体のバブル)の崩壊が同時に
   起きており、信用収縮と景気後退の悪循環が始まっている。
第3章ガス欠とオーバーヒート
   世界はエネルギー転換という長期波動と「金融資本主義」の破綻という長期波動が同時
   に起きており、それは資産価格デフレと資源インフレが同時進行するという異常事態を
   引き起こしている。
第4章世界は壊れそうだ
   不動産バブル崩壊は続いている。自動車バブルも崩壊し、米国の消費不況がグローバル
   不況になりつつある。問題はそれが10年不況となるかどうかだ。

以上を読み返すと資源インフレの部分は外れはじめているようだが、それでもなお本書は、
その価値を失わない。良書だと思う。           
(レビュー日:2008-11-09)

既に古い?

 ここに書かれている事は、2008年11月現在、当然のことながら既に過去のものとなっている。本書が書かれた後、アメリカ政府が米国議会下院の否決を繰り返すという異例の苦渋の決定の後、資金が逼迫した金融機関への公的資金(Tax Payers' Money)75兆円強の投入を決定したこともあり、G7なり、G20なりのサミット等々等々もあり、毎日のようにころころと状勢は変わっている。

 しかし、本書はサブプライム・ローンの成り立ちについて、実に巧く説明しているという点から高く評価できる。
 良かれ悪しかれ現代資本主義を牽引してきたアメリカ資本主義の発展とその暴落というその金融メカニズムを短期間に理解する事ができる。

 時事問題の面接に悩む今年の「シューカツ学生」にとっては、必読の経済書でしょう。
(レビュー日:2008-11-02)

アメリカの金融資本主義の崩壊は始まったばかり。この不況は深くて長いものになるだろう。

今回の金融危機を収めるためには、アメリカの不良債権額を確定させる
ことが不可欠と金子さんは説く。

なぜならば、不良債権の金額が確定しなければ、いくら公的資金を
投入しても、世の人々の金融機関への信用は戻らないからである。

今回の、金融危機への対処が難しいのは、アメリカの”投資銀行ビジネスモデル”
の暴走が、不良債権額の確定を困難にしているからだ。

金融工学を駆使し、あまりに複雑な証券化を進めたためになかなか、損失額を
確定ですことができない。

おまけに、銀行や投資銀行の下には、連結決算対象外のヘッジファンドや
SIV(投資専門のための会社)が、無数にあり、膨大なハイリスクの証券取引を
行っている。

これらの存在は、連結決算対象外であるため、高度な”飛ばし”が膨大にあると
いうことである。

これら”闇の銀行システム”とも言うべきものたちが、現在、資金ショートを
起こし崩壊の危機に直面しているのだ。

FRBによれば、”影の銀行システム”の規模は10兆ドル規模に及ぶと言うが
本当の規模や闇の深さは誰にもわからないし、それらに手をつけたとき、経済や
金融が一体どのようになるのかは想像の世界でしかないのが現状だ。

今、世界中で、金融危機への対応を必死で行っているが、私はもう手遅れで
既に、恐慌状態に突入してしまったと思う。

地震であれ、ハリケーンであれ、起こるものは起こる(今回のことは人災だが)
たとえ、80年前のような大恐慌が来たとしても、それはそれとして、覚悟を
固めて生きて行くしかない。今は、その人その人の”覚悟”が問われている
時だと思う。

なお、本書の理解をより深めるためには、ソロス著「ソロスは警告する」副島隆彦著「恐慌前夜」、竹森俊平著「資本主義は嫌いですかーそれでもマネーは世界を動かす」、ラビ・バトラ著「2010年資本主義大爆裂 近未来10の予測」及び「資本主義消滅最後の5年」が参考になると思われる。

上記のいずれの本にもレビューを書かせていただいたので
ご一読いただければ幸いである。

(レビュー日:2008-10-14)

「影の銀行システム」の崩壊

現在進行形の金融危機の本質を端的に分かり易く表した良書です。とても面白く70ページという分量にまとまっているので2時間で読み終えることができます(した)。
G7など政府がいろいろ対策を講じてもさっぱり金融危機が収まらない原因を「影の銀行システム」の崩壊にあると看破しています。「影の銀行システム」とは、銀行以外の決済機能を持っていないノンバンクを指し示す著者の造語です。ヘッジファンドや投資ビーグルや証券会社などが金融自由化の波に乗って、規制の及ばないところで、世界のGNPの10倍もの規模のデリバティブ取引(残高)という信用バブルを作ってしまった結果、担保となる不動産の下落により弾け信用収縮を起こしている最中と見ています。規制外の世界なので、損失が確定できない状態にあり、担保の不動産がまだまだ下がる現状では、従来のマクロ経済政策では信用収縮を止めることができないと述べています。現在、円を除けばドルは世界の通貨に対して強くなっていますが、米国や英国お得意の、金融工学を駆使した金融産業(影の銀行システム)の崩壊が進行すれば、最悪、ドル暴落と米国のヘゲモニーの終焉に進むと予想しています。
タイムリーな本であり大変参考になりました。
(レビュー日:2008-10-12)

アイヌ神謡集 (岩波文庫)

アイヌ神謡集 (岩波文庫)
[翻訳]知里 幸恵

通常3〜5日以内に発送 (2008/11/22 06:00:03(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 525 (ISBN : 4003208013, 1978-08-16)


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経済・文化が曲がり角にいる現代に贈られたアイヌ神謡

「銀のしずく降る降るまわりに(Shirokanipe ranran pishkan)」というリフレインが印象的な冒頭の神謡をはじめ13編を、ローマ字によるアイヌ語と日本語を対訳にして収めています。

序において、著者は、アイヌがかつて自然のすべてと溶け合って日々を送っていた楽しく幸福な時代を想い、それらが失われつつある現代(大正時代)を憂えます。幸恵は、その楽しくも幸せな時代の謡を、後世に伝え、和人にも知らそうとこの書を編みながら、数え二十歳の生涯を閉じました。巻末に、彼女のことについて金田一京助の紹介があり、神謡について知里真志保の解説があります。

真志保(幸恵の弟、北大教授、文学博士)によると、アイヌ文学は、韻文物語(詞曲)と散文物語(酋長談)に分かれ、前者は神のユーカラ(神謡)と人間のユーカラ(英雄詞曲)に分かれ、さらに前者はカムイユカルとオイナに別れます。そして、それらがどんな背景のもとで生まれ、変化してきたかが解説され、中でも神謡について、その名称が各地で異なることとその意味と特徴が示されます。リズミカルで親しみやすいリフレインについても解説されます。二十数頁の論文ですが、アイヌ文学入門でもあります。

経済、文化が世界的に曲がり角にいる現在、このような神謡の世界に遊びながら、人間の未来、これからの自然と人間の関係などに想いを馳せることは意味のあることと考えられます。

(レビュー日:2008-10-31)

アイヌの伝承

アイヌの伝承を知る貴重な資料である。

ローマ字の音表記と日本語訳がついている。

金田一京助の後書きと、著者の実弟の解説がついている。

この2つを読むと、本文の価値を再確認することができる。

(レビュー日:2007-12-31)

美しい日本語に出会える本

北海道旅行の前に予備知識として読んだ本でした。
北海道は観光地としてとても魅力あふれる土地だけれど、序に寄せられている知里幸惠さんのかわりゆく北の大地を思うと、もう当時の北海道を偲ぶことは難しいことを痛感させられます。海も山もアイヌの人たちが行き交っていた頃のそれとは随分変わってしまったことでしょう。
けれども彼女は滅びゆくアイヌの文化、伝承を惜しむ心の強さから文字通り心血を注いで神謡集をまとめたのではないかと思うのです。この本の製作に携わった金田一京助も幸惠さんの弟の真志保さんもそんな彼女の思いにひかれ、引き継ぐようにしてアイヌを見つめています。殊に金田一京助の聡明な幸惠さんの死を悼む思いは痛切で物悲しく心に残ります。
ゆっくり、じっくりとユーカラを口ずさみながらはるかなアイヌの民の古代生活に思いを馳せることのできる良書です。
(レビュー日:2007-06-30)

アイヌ民族の蒸留の一滴

ユーカラとは、アイヌ民族の口承文芸。
アイヌ民族にとっては道徳の教科書でもあり、神々の元を表す聖典でもあり、
その精神文化を知る上で大きなヒントを与えてくれる。

この本は、ユーカラの中から「カムイユカラ」と分類される
(知里真志保氏の分類による)ものの中から、特に13話を選んで本に編んだもの。
フクロウやキツネの自然神の一人称叙述体で、彼らの体験を語るというのが基本的な特徴である。
ページの見開きの左にアイヌ語をローマ字で、右に対訳が日本語で書かれているので、非常に読みやすい。

アイヌの口承文芸を単に訳しただけにとどまらず、非常に美しい日本語を宛てられている。
「shirokanipe ranran pishkan」〜銀のしずく降る降るまわりに〜
アイヌ語でも日本語でも神秘的な響きを奏でる上の一編は、特に有名。
美しい詩世界から、アイヌ民族の自然信仰の一部に触れられる。

著者、知里幸恵はアイヌ女性。
惜しいことにこの聡明なアイヌ女性は、生来心臓に持病を抱えており、
この神謡集一冊だけを残し、19歳の若さで他界した。死の間際まで原稿に向かっていたという。
(彼女の人生については、藤本英夫氏の「銀のしずく降る降るまわりに」
また「知里幸恵遺稿 銀のしずく」に詳しい)

この本は、知里幸恵が19年の生涯全てをかけて送り出した、アイヌ民族の蒸留の一滴といえるのではないか。
「シサム」として、是非手にとって欲しい一冊。
(レビュー日:2006-12-26)

とこしえの宝玉

第一印象が、
 不思議な本だ…。
というものです。
 日本語の文庫本なのに左綴じ
 表紙はシンプルに文字とアイヌの刺繍柄がちいさくあしらわれているだけ。
 タイトルは「アイヌ神謡集」
 開くと、右ページにローマ字でアイヌの言葉どおりに神謡が
 左に平易で美しい日本語でその訳が掲載されているのです。
 私は実際は、アイヌの言葉は全く分からないので、日本語訳の部分だけ読みました。

 アイヌ神謡そのものに興味がなくてもギリシャ神話や古事記などの話が好きな方はとても楽しめる内容です。

 アイヌの神は、いろんなところに宿っていて、人の前に現れるときは、動物達の姿の冑を着て現れる。
 人がその動物を捕らえ、しとめると、神は、その動物の耳と耳の間にいて、その後の様子(切り刻んで鍋に入れて調理されていく)も見ている。
 そんな世界観がとても新鮮で興味深かったです。

 金持ちと貧乏人がいて、貧富の差で子どもがいじめられたりする場面が出てきたりして、日本の昔話みたいな雰囲気も面白い本です。

 弟の知里真志保氏の論文が最後に掲載されています。
 これも神謡の作られていく歴史について解説されていて、とても面白いです。

(レビュー日:2005-04-30)

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)
堤 未果

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¥ 735 (ISBN : 4004311128, 2008-01)


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海の向こうから

難しい表現もなく読みやすく、好奇心をそそるので、スラスラ読めた。忙しい日々に終われ、民営化というものにピンと来ない程、制度にうとかったが、やっと意味が分かった。貧困と戦争を結び付けた議論が知識層でされていても意味が分からなかったが、やっと意味が分かった。教育、仕事、戦争、医療、メディアについても考えさせられた。一つ一つの章がショッキングでもあり驚きながら読み、いろいろ深く考えさせられる。よく、「アメリカの後を追う日本」といわれているので、これから日本はどうなっていくのかが気になった時、この本を読めば参考になるだろうかと思ったのが、手に取るきっかけとなった。参考にはなったが、それは恐ろしいものだった。そうならないために、海の向こうから警笛をならしている。知っておいた方がいい現実をつきつけられる。
(レビュー日:2008-11-09)

もう一つの世界は可能だ

1957年初演のミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」には米国の両面性を底辺層から見た「アメリカ」という曲がありますが、その半世紀後の報告だと言えると思います。
私は9.11を聞いて「攻撃された」ではなく「復讐された」と感じましたが、この本では、お金の使い方を誤り、自国民だけではなく、世界中で人々の人生をズタズタにしているのはなぜなか、ということを現象面から解き明かしています。
米国の後を追った日本は、大企業が次々と多国籍企業となったために国内での社会資本の充実を嫌い、更に新自由主義を進めた結果が現状だと考えれば、その逆を行わなければならないのは明らかです。
また、次郎物語(下村湖人著)第5部には戦争に向かう時代に対して「落ちて行くなら、せめて目を開いていたい」というような記述がありますが、メディアやインターネットが発達しても真実はなかなか見えて来ない現在と重ね合わせると、著者が「デモクラシー・ナウ!」に肩入れする理由がよく解ります。先日来日したスーザン・ジョージも、私の質問に対してメディアの責任を指摘していました。
まず米国をアメリカと呼ぶのは止めましょう。そうすれば「米国以外のアメリカ」=「中南米とカナダ」も見えてきますし、米国本土とハワイの先住民にも目を向けられるでしょうし、途上国のことも世界史も考えられるようになります。
経済ではなく、人権と環境を主体に考えて行かなければ、人類は生き残れません。
より良い人生を送ることができる別の世界は可能だ、と、著者を含む若い世代に期待しておきます。
(レビュー日:2008-11-06)

本当に、素晴らしい本

この本は、アメリカの「医療」事実が語られている。
皆保険制度はなく、破産した人に「メディケイド」という、公的医療保険があるだけ。

では、なぜこうなったのか。
ポール・クルーグマン『格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略』を読めばわかる。
「高所得者」から税金をとって、「低所得者にまわすだけ」として、医療保険は導入されていない。アメリカは、徹底的に「共産主義」が嫌いなのだ。

2冊を読み、全体像が理解できる。

(レビュー日:2008-11-03)

貧困な人ほど太っている



 アメリカは本当に金持ちと貧困の両極に別れてしまったと感じる事が出来る
一冊です。ニューヨークでも児童の四分の一が無料の朝ご飯、昼食を食べて
いるそうです。無料の給食はジャンクフードが多いので、どうしても肥満になっ
てしまうそうです。
 大国アメリカの目指すべき民主主義は環境や人権を大切にして、一人一人
が幸せに生きることが出来る社会を作り出すべきと著者は訴えています。
 今のアメリカは、日常の生活が便利なだけと切り捨てています。
(レビュー日:2008-11-01)

大変良い

本書は現在アメリカが抱える諸問題について多々言及しており、これらの殆どがアメリカが抱える自由の結果であり、その諸問題のいくつかをアメリカが日本に輸入したいと考えているが、著者がそれに対し明言はしていないが批判的な意見を述べている点で非常に面白いです。具体的には、サブプライムローン、医療に対する競争の導入、貧困地域の高校生に対する軍事的なリクルート等の問題が扱われています。お勧めの1冊です。
(レビュー日:2008-10-11)

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)
マーク ピーターセン

通常24時間以内に発送 (2008/11/22 06:00:03(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 735 (ISBN : 4004300185, 1988-04)


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なるほどと思う英語の本

 冠詞や複数形の使い方などなるほどと感心させられる本です。
 実用価値大です。
 日本人の日本語的発想では、ここまで到達しないのでしょう。
 ただ意味が伝わればいいのだ、などと思っている英語学習者に
うってつけの本と言えるでしょう。
(レビュー日:2008-10-22)

絶対お勧めな一冊

目からウロコな一冊でした。これを読んだことを内緒にして、これで得た知識を知人に自慢したくなります(笑)。とても勉強になり何度も何度も読み返して、もうボロボロ。解説も分かりやすく、英語初級者でもなく上級者でもなく、正しい英語力を更に伸ばしたい中級者の方には絶対お勧めです。読み始めていきなり「昨夜、庭先でしたバーベキューでチキンを食べました」の英訳が「Last night,I ate a chicken in the backyard」が何故おかしな英訳なのかが解説されている。この解説を読んで大笑い!そして納得。たかだか735円!書店に並ぶ2千円もする参考書より、よっぽど役立ちますよ。
(レビュー日:2008-08-30)

なかなか難しい本だ

これを手に取ったとき、まず著者が米国人であるとは思わなかった。
もちろん出版にあたるまでに、何度となく校正を受けてきたであろうことは想像できるが、それにしてもまずは非常に日本語が流暢であると言わざるを得ない。

さて内容であるが、日本人が英語に接するにあたってあまり普段重きを置くこともなく気にすることも無い冠詞/定冠詞の正しい用法からこの本の件は始まっている。
「ホウホウ、ためになるなぁ」と思うところもあるが、何しろ理論や理屈が多いので、感覚的に分かるには何度か読み直さないとなかなか理解できない部分も多く、退屈する部分も多かった。
本書は、ネイティブの観点から日本人の英語を述べている点で、日本人が実際に日本語を英訳するときに役に立つtipsが詰まっていると思う。
駆け出しの翻訳者やある程度の経験がある翻訳者にとっても参考になると思う。
まだ読んだ直後であるが、実際英語を記述する上で気をつけて書くようになった。
まだ感覚として使いこなせない部分も多いが、英語を使う人は一度は読んでおいて損は無い一冊である。

(レビュー日:2008-06-30)

かゆいところに手が届く本

我々日本人にとっては冠詞の使い方はなかなかむずかしいものですが,この本は実にわかりやすく説明しています.一読の価値有です.
(レビュー日:2007-12-19)

受験英語にうんざりしている人に

音読や単語・文法の丸覚えに嫌気がさし、少し深く英語を考えたい人におすすめ。
(レビュー日:2007-09-23)

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))
ミヒャエル・エンデ

通常24時間以内に発送 (2008/11/22 06:00:03(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 840 (ISBN : 4001141272, 2005-06-16)


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「残業依存症」から立ち直った、今の読後感

何人かの方が書いているのと同じように
子どもの頃は、誤解からずっと敬遠してました。
優等生の読書感想文御用達っぽかったし、
その感想からは、スローライフ的説教臭さも感じたし…

体調悪化と、我が子の出産に先立って、残業まみれの生活から足を洗い
(このご時世、かなりの勇気が必要でしたが)
ちょっぴりできた心のゆとりに、好きだった読書を再開した矢先、
文庫化にともない訳が新しくなったと知って読みました…

…本当に良いタイミングで出会いました。
子ども向けのファンタジーではありますが
私にとってはファンタジーとは思えないリアルさを感じました。
エンデすごいです。

もちろん、現実の社会にはモモのような
自分の代わりに、灰色の男たちから時間を取り返してくれる人はいません。
そこで、自分にとっての「人生の価値」を決め、せまり来る「時間どろぼう」と
実際に戦うのは自分自身なわけですが。

自分に科せられた仕事が1日に100だとしたら
「1日に120済ませれば、あとがラクになる」などと、誰もが一度は考えるはず。
でも現実には、翌日にもやっぱり仕事は100あって
永遠にラクにはならずに一生を終えてしまうんじゃないでしょうか…?

100の仕事を一生懸命やって、早めにその日の仕事を終える。
残りの時間は自分や家族のためにつかう。

それが実践できれば、この本の、本当の面白さが味わえると思います。
大人こそ、ぜひ。
(レビュー日:2008-11-18)

小学生ではじめて読み


モモをはじめて読んだ小学5年生の時、これ以上無いほどのスリルを味わいました。まだ難しい本は読めない年頃でしたが、特に行き詰まることなくすらすらと読め、話の内容も掴みやすいものでした。

細い糸がはったような緊迫感を強く感じ手に汗が浮かぶほど胸が高鳴ったのをよく覚えています。

中学生になってからまた読んだときにはまた違った見方が出来ました。風刺された現代の流れや畳み掛けるような文、こまやかで美しい独特の世界観、無色でさびしい町の描写……どれも他とは違う素晴らしさに新たな発見など。

いくつになっても楽しめる作品ではないでしょうか。
(レビュー日:2008-11-04)

立ち止まるという大切さ。

便利さや効率ばかりを追求して、本当の幸福を見失った、大人のために書かれた童話と言ったら、大袈裟かもしれない。そもそも児童書なのだから。
しかし人生を豊かにしてくれる、ヒントが書かれてある。
日々の暮らしの中において、旬や趣といった風情が失はれつつあると、さかんに言われるようになって、かなり久しい。
これは私たちの感性が、毎日の忙しさに忙殺され鈍ってしまったせい、だからかもしれない。
それとも環境破壊といったものが、一因なのかもしれない。
いずれにせよ、人間が招いた負の産物だ。
季節の移ろい。旬の食卓。ささやかだが、幸せを感じる時間であり、空間である。
それを喜びとして、感じることのできない人もいる。
時間に追われ、ふと足を止め路傍の花を愛でる、ゆとりのない人が…。
灰色の男たちは、今もどこかで暗躍しているのだろうか。
(レビュー日:2008-11-01)

幼稚園生のころに読んで人生を考え始めた本

 有限の時間を生きる我々にとって生きるとは?
そんなことを本気で考えさせてくれる本、、、
子供向けではあるが本当は大人になる為の必読書である。
この本を読んで成長した子供は幸せです。私も、また幸せな人間です。
あなたの子供にも一度読んであげてください。
(レビュー日:2008-09-23)

現代社会が悩むべき病気をテーマにした作品

児童向けの本とあるが、大人が読んでも学ぶことが多い本だった。何のために時間があるのか、時間を節約することでいったい何を得るのか、1976年に発表された作品にも関わらずまさに現代社会が悩むべき病気をテーマにした作品だった。特にニノが経営するファーストフードの誰もがイライラして忙しく、椅子に座ってゆっくり食事する余裕もない様子は現代社会の象徴だと思う。時間を短縮し効率を追求することばかり考えていると、子供が自由に遊ぶことや人の話をゆっくり聞くこと、人のことを考えることといった本当に大事なものを見失ってしまうかもしれない。
(レビュー日:2008-08-09)

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書 新赤版 1150)

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書 新赤版 1150)
白井 恭弘

通常24時間以内に発送 (2008/11/22 06:00:04(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 735 (ISBN : 4004311500, 2008-09-19)


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英会話入門を聞き続けて10年以上になってもほとんどしゃべれない私にとって、大いに参考になった。

本書は表題の通り、外国語を学習するための科学的アプローチを解説したものである。
数々の事例を挙げながら、第二外国語を学習するにはどのようなことをすれば効率的なのかを詳しく分析している。

外国語を学習するのにあたって、まず大事なのは、聴くことだという。聴くだけで、またはインターネットで自分の興味あることを読むだけで、言語能力は上がるという。
一方で、インプットだけでも言語習得はできない。アウトプットも必要である。
これは必ずしも話す必要はなく、外国語で考えることでもよいそうだ。

英会話入門を聞き続けて10年以上になってもほとんどしゃべれない私にとって、大いに参考になった。
(レビュー日:2008-11-16)

言語習得の仕組みは、まだまだわからないことだらけ

本書を手に取る人はおそらく、「言語学そのものに興味がある人」と、「外国語学習を効果的に行いたい人」のどちらか、あるいは両方だろう。
私は前者のほうだったのだが、本書はどちらのニーズにも応える、非常に知的好奇心を掻き立てられる一冊だった。

まず前半では、幼児の言語習得についての実験などを中心に、様々な実験結果や仮説が紹介される。
「幼児が外国語の音を聞き分けられるようになるのはいつか?」
など、非常に興味深い話題が多い。
ただ、これらを読んでいて痛感するのは、「いまだに言語習得プロセスではわからないことのほうがよほど多い」ということ。
矛盾する結論が出ることもしょっちゅうだし、そもそも言語習得についての実験を行うことは非常に困難なことなのだろう。

だがそれでも、限られた「確からしい」情報から、われわれの外国語学習に有益な提言をしてくれるのが後半だ。
結論は、「インプットはもちろん、アウトプットも意識する」「例文はある程度丸暗記する」など、それほど目新しくはない。
それでも、科学的根拠があるからとても納得感がある。

複雑そうなテーマにもかかわらず文章は平易だし、お勧めです。
(レビュー日:2008-11-01)

外国語学習の争点を解明

文法重視か会話重視か、臨界期はあるのかないのか、インプット重視かアウトプット重視か、外国語習得での議論について、第二言語習得の新しい知見を元に論じていく。

本書では、赤ちゃんがどのように言語を習得し始めたか、さまざまな事例が出されている。長らく発話しなかったのに、突然完全な文章で話し始めた子、ろう者の父母の元、テレビだけで音声言語を習得した子など、いずれも興味深い。「言語というシステムを自分の頭で組み立てるということがいかに複雑か」著者はそう言う。思春期を過ぎてから第二言語をネイティブ並に、というのは相当難しいらしい。細かい文法規則や言い回しなどがネイティブ的になれないという。

第二言語習得では、母語の言語体系が習得を邪魔する(日本語にないLとRの違いがわからない)など、例文丸暗記という古典的な習得方法も有効だという。文法重視は著者は英語に関しては否定的だ。文法的に正しくても、おかしな文章を作ってしまう可能性があると言う。また、アウトプットに関しては、話したり書いたりしなくても頭の中で習得中の言語で考える(リハーサルする)ことが大事だという。
(レビュー日:2008-10-20)

よくまとまっている

第二言語習得のメカニズムはよく分かっていないことが多いので,以前同じ分野の他の専門書を読んだときはちっとも分かった気になりませんでした。
しかし,本書は現在までの知見が非常にうまくまとめられていて,何が分かっていて何が分かっていないのかが,よく見渡せます。
語学教育に携わっている方全員に読んでいただきたい本です。
科学的知見ではなく経験に基づいて書かれた語学指南書の名著『外国語上達法』(千野栄一,岩波新書)と併読しても面白いと思います。
『外国語上達法』では一章を割いている「良き教師」について本書ではほとんど触れられていませんが,教師の役割は科学的研究の対象になりにくいのでしょうか。
(レビュー日:2008-10-11)

第二言語習得論の入門教科書にもいい

第二言語習得論(SLA)の第一人者である著者が、新書用に
SLAの見地から、外国語学習の方法、背景、メカニズム等を
わかりやすくまとめた本。

外国語学習(殊に英語学習)の参考書は巷に溢れかえっているが、
経験則にしか則っていなかったり、うたい文句が過大に感じるものも多い。
そのような現状の中で、タイトルにもあるように「科学的」に論を進めて
くれている本書は、信頼して読むことができた。

また触れている内容は多岐にわたっており、挙げられているトピックも
関心のあるものが多い。さらに、教員にも学習者にもどちらにもむくように
書かれている。また、巻末には用語集や引用論文も載せられており、
SLA研究の入門教科書のような構成になっている。
よくまとめられていて、読んでよかったと思える本だ。
(レビュー日:2008-10-05)

職業としての政治 (岩波文庫)

職業としての政治 (岩波文庫)
マックス ヴェーバー

通常3〜4日以内に発送 (2008/11/22 06:00:04(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 483 (ISBN : 4003420977, 1980-03-17)


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思想書の射程を超えて

「正当な暴力の独占主体」としての国家、とのあまりに有名な定義が披露される講演記録。

 しかし、当のヴェーバーはそうした定義もそこそこに、各々の政体の、各々の時代における
種々の「職業」のありようへとその議論を移していく。
 それらを極めて丹念に吟味したその後に、テーマは再び政治家たる者の資質の問題、暴力の
問題へと帰着する。
「心情倫理」と「責任倫理」の耐え難き分裂、しかし、そこで立ち尽くすものに政治家たる
資質などあろうはずもない。
 成熟の末、双方を併せ持ち、あまりに悲惨な状況を前にして、「それでもなおdennoch」、
この世界に情熱と判断力をもって立ち向かうもののみが「天職 Beruf」として、政治へと挑み
得る、この社会学者は聴衆を前にそう断言する。

 第一次世界大戦直後のドイツにおいて放たれたこれらヴェーバーのことばは、単にその
時代において解釈されるべきものではない。暴力の問題、責任の問題はすなわち人類史に
他ならない。ゆえにこそ、彼の熱き意志は今なお、深き洞察を有する生きたことばとして
語り継がれる価値を持つ。
(レビュー日:2008-03-16)

日本の政治家はともかくもこれを読め!

マックス・ヴェーバーの講演録。
薄いが中身は濃いものとなっている。

本書の内容は「職業としての政治とは何であり、またそれがどういう意味をもちうるのか」(p7〜8)という問題への答えである。

政治とは権力をもってするものであり、すなわち暴力を用いてしか解決できないような問題を対処しなければならない。
要するに、悪魔との契約をしなければならないのである。
彼の言うところの「道徳的にいかがわしい手段」(p90)を用いる必要があるということだ。


政治家に必要とされるのは、心情倫理(一般的な倫理)ではなく、責任倫理である。
要するに、手段を問題にすべきではなく、政治家に必要なのは、結果への責任をすべて受け入れる倫理なのである。

今日では政治家よりもマスメディアが、このことをしっかりと頭に置くべきだろう。
メディアではしばしば、政治家の「非道徳性」が非難されるが、その多くは手段が倫理的ではないということで、これは場違いな批判である。
一方政治家も、結果について「予見できなかった・こういう事態がおきたために〜・目的は正しかった」などと弁解する人がいるが、これもまた政治家の持つべき倫理を間違えている。


個人的に気になったのは、政治と過去との関係である。
彼は、「戦争がすんだ後でその勝利者が、自分の方が正しかったから勝ったのだと、品位を欠いた独善さでぬけぬけと主張する」(p83)のを批判し、敗戦国についても「戦後になって「責任者」を追及する」(p94)などということは「愚痴っぽいこと」と一蹴している。
「戦争の終結によって少なくとも戦争の道義的な埋葬は済んだはずなのに、数十年後、新しい文書が公開されるたびに、品位のない悲鳴や憎悪や憤激が再燃して来る」(同)というのも、今日の日本を示唆しているかのようである。
彼は「政治家にとって大切なのは将来と将来に対する責任である」(同)と断言し、「過去の責任問題の追及」は「解決不可能」で「不毛」だとしている。
さらに、過去の責任追及においては、「勝者は――同義的にも物質的にも――最大限の利益を得ようとし、他方、敗者にも、罪の懺悔を利用して有利な情勢を買い取ろうとする魂胆がある」ために、「問題全体が不可避的に歪曲化されるという事実までが、そこでは見逃されてしまう」(p84〜85)と言う。
最後に、彼は「「卑俗」とはまさにこういう態度をこそ指す言葉で、それは「倫理」が「独善」の手段として利用されたことの結果である」(p85)と締めくくっている。
現在の日本への警鐘のようにも思える。
(レビュー日:2007-11-27)

時代の皮肉

ウェーバーの死の1年前、1919年に行われた、次代を担うであろう学生達に向けた講演の記録。

誰もが指摘するように、古典中の古典だが、得るものは多い。
政治の持つ暴力性、現代的な政治を職業とする者の分類、そして政治家に期待される倫理、さらに資質……これらのことに関して論じたところは未だに色あせない。
そして、多くの人が、これらのことについては語ってしまっているので、本書の違う部分に目を向けたいと思う。

ウェーバーはこの当時、ワイマール憲法の起草委員会のメンバーだったと記憶している。
高校の歴史や政治経済の教科書などにも出てくる通り、基本的人権という面において、当時としてはもっとも完成度が高かったとされる憲法だ。
自分の記憶が確かなら、起草に当たって政治社会学、法社会学の泰斗として、ウェーバーの果たした役割もまた大きかったに違いない。

そして、この講演…特に政治家の倫理や資質を語る部分は、当然、この憲法に基づくドイツの政治をこれから担う若者に対して発せられた、政治を職業とする者はかくあるべしという、ウェーバー流のメッセージのはずなのだ。
さらに、彼はロシア革命を「乱痴気騒ぎ(カーニヴァル)」と言って嫌悪感を隠さず、政治的な熱狂によって導かれる政治を否定しさっていた。
また、当時のドイツの政治状況をちくりちくりと批判し、警鐘を鳴らし、こうも学生達に呼びかける。
10年後にもう一度集まって、同じテーマで論じてみたいものだと。

彼ら学生に、危機的状況を乗り越えて、穏健な民主国家としてドイツの未来を形作っていって欲しいと期待していたことが、ありありと窺えるではないか。

彼の講演を生で聞いた学生達は10年後を、さらにその後をどのような思いで眺めていたのだろうか。
10年後には、ワイマール体制は機能不全の態を表し、1933年にはヒトラーが首相に就任するに至る。
ナチ政権はまさに政治的熱狂が生み出した、ワイマール体制の理想の対極に位置するものだった。
その後、ナチの支配はより堅固なものとなり、誰もが知る通り、ドイツは戦争への道をひた走り、戦争の敗北によって瓦解する。
ロシア革命以上の乱痴気騒ぎと言わずして何と言おう。

こうして見ると、この講演も歴史の徒花になりかかったのであり、何とも皮肉を感じてしまう。
それでもなお、時代を超えて生き残り、我々にも訴えかけてくるものがあるのは、さすがに誰もが認める名古典にして名講演と言わざるを得ない。
(レビュー日:2007-03-28)

第1次世界大戦敗戦後のドイツを憂うマックス・ヴェーバーの声を聞け

古典といえども今でも「政治」を考える上では色あせない1冊。
この本は、マックス・ヴェーバーが亡くなる前年に、ミュンヘンの学生団体の公開講演をまとめたものである。当時のドイツは第一次世界大戦に破れ、ロシア革命のあおりを受けて、国内は革命への機運が高まっている不安定な状態だった。そんな状態だからこそ、マックス・ヴェーバーは、ドイツの若者に対して、「政治」をきちんと捉え、国家の指導者たるにふさわしい姿勢と求めて語った。

 マックス・ヴェーバーは、政治家の必要な資質として、情熱と責任感と判断力を挙げる。特に、単なる情熱だけでなく、その情熱が責任感と結びついたものであり、冷静な判断力で、自己陶酔を抑制することを求める。それは、政治が、権力獲得のためのものではなく、将来と将来に対する責任であるからである。

 なんといっても、最後は思わず読んでいて熱くなる。この最後はぜひ、読者自身の目で見ていただきたい。熱い気持ちになるとともに戒めのようなものを感じるはずだ。最後の言葉は、政治家だけでなく、まちおこし活動をしているものにも通用するし、社会に対して変えようとアクションを起こしているリーダーにも通ずる言葉だ。
(レビュー日:2006-08-15)

読むたびに新たな発見。

古典というのは大したもので、読み返すたびに新たな発見があるものだ。以前読んだ際は、政治家の倫理について述べた後半部が印象に残ったが、今回再読して感心したのは職業政治家の諸形態について論じた中盤部の記述である。

そこを読むと、最近の日本における小泉総理の族議員に対する勝利という現象が、十九世紀末の英国における党リーダーと党官僚の名望政治家に対する勝利という現象とぴったり重なることが分かる。そこから帰結するのは、国会議員の総イエスマン化と、デマゴーグに導かれた事実上の人民投票制の到来である。

ドイツ流分類学の最も良質の部分を受け継いだヴェーバーの簡明な分析は、読んでいて小気味良い。翻訳も読みやすいので、是非手にとって見てほしい。
(レビュー日:2005-12-30)

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書 新赤版 1146)

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書 新赤版 1146)
松本 仁一

通常24時間以内に発送 (2008/11/22 06:00:04(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 735 (ISBN : 4004311462, 2008-08)


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絶望大陸アフリカ

私はアフリカにほとんど関心も興味もなかった。だからアフリカという響きから連想することばは、貧困・飢餓・疫病・内戦・無政府状態といった、ある意味でステレオタイプなものばかりだった。そして、ほかにもいい話はあるのだろうけれど発想力が貧困なので思いつかないだけなのだろうと思っていた。
ところが本書を読むと、そんなアフリカ音痴の私の連想と実際のアフリカの現実が、恐ろしいほどぴったり合致する。あの巨大な大陸の上に「いい話」などほとんど微塵もなかったのだ。本当に、貧困や無政府状態がいつ果てるともなく延々と続けられ、今後も続いていくだけなのだと知らされた。産業はこなごなに破壊されるもの、国家は崩壊するものだと知らされた。
正直言って驚いている。前世紀には同じように欧米列強によって植民地にされた歴史を持つアジア諸国でさえ、少なくともここまで壊滅的な状況に陥っている国はない。国家建設より優先される部族意識、政府指導者の危機感不足、汚職・腐敗・利権あさり・・・・著者の分析は正しい。しかしながら、それでもなお、なぜアフリカは、という疑問が心の底から払拭できない。
なぜアフリカはこうまでも、大陸規模で崩壊してしまったのか。
本書は6章からなり、4章まではアフリカがかかえる絶望的な現実のほんの一端が紹介される。ほんの一端だが実に重い。5章と6章では、それでも希望の小さな芽が育ちつつある事例を伝えている。だが全体のプラスマイナスで考えると、焼け石に水ではないかという気持ちは消えない。
国家指導者は腐敗しきっており、国民は満足な教養もなく保守的で依頼心が強い。豊富な地下資源も豊かだった大地も、発展には全く結びつかない。
アフリカについてあまり知識がないと思っている人には、現実を垣間見る、という意味でぜひぜひ読んでいただきたいと思う。著者は昨年末まで40年間、記者として朝日新聞に勤務していた。アフリカでの生活も長い。行間ににじみ出る著者のアフリカへの思いだけが、せめてもの救いだろう。
(レビュー日:2008-09-26)

アフリカの新しい動きを紹介するレポート。バランスに疑問も。

 後進国の惨状を語る第一人者のレポート。
 冒頭からアフリカ諸国政府の腐敗を正面から批判しており、ジンバブエ政府の問題など知らなかった私には大変勉強になった。
アフリカ問題は「植民地支配の傷跡」や「旧宗主国の介入」などが要因として挙げられてきたが、独立して数十年が経ち、そういった理由だけでは説明ができないほどアフリカの停滞は深刻である。本書はアフリカ問題の新しい段階を紹介している。

しかし、アフリカの全体像から見て、本書のバランスには疑問も残る。
アフリカ諸国政府の政治腐敗は、旧宗主国や先進国との利害の一致によって、黙認されてきたという側面の指摘が弱く、資源のある後進国の独裁政権と資源供給を受ける先進国の黙認という図式はこの本では後景に退いている。例えばナイジェリアの石油を輸入しているのはアメリカや欧州であるが、軍事政権への黙認・共犯関係などが触れられていない。
旧宗主国の経済利権に関してはフランスの事例が挙がっているだけで、イギリスの姿は見えない。また、コーヒー豆が安価で買い叩かれ、我々が飲むときには1杯数百円になっているなど、国際流通のからくりによるアフリカ農業の貧困などは触れられていない。
 以上のような視点は筆者は百も承知であろうが、やはり、腐敗したアフリカ政府を指摘すると同時に、先進国との共犯関係を指摘すべきだと思える。
 「中国の台頭」や「現地NGO」など新しいうごきに焦点をあてたためであろうが、本書はアフリカ問題の全体を把握する論文ではなく、アフリカのあたらしい動きを紹介するレポートと考えるべきだろう。
(レビュー日:2008-09-25)

発展途上国の今

テレビ番組や有名人が学校を作ったりしているアフリカ、多くのスポーツで大活躍するアフリカ、多くの援助を受け入れているアフリカ。アフリカといっても広く様々な国が存在するが、それらの国の多くは一部の政府に属し裕福に暮らすものと、未だ昔と変わらない姿を対外に見せ援助を要求する貧困の二面性をもつ国が多い、そんなアフリカの今を一般的には報道されない情報を読めて斬新な時間を頂きました。
(レビュー日:2008-09-21)

モザイク大陸の「現状」

私の手元に、40年ほど前の高校の地理の教科書がある。
アフリカは独立国は少なく、「仏領」「英領」などと書かれた国がたくさんある。
しかし今ではそれらの国はほとんど独立し、
今アフリカの地図を見るとまるでジグソーパズルかモザイクのように
小国が「乱立?」している。

これらの国の多くは貧しいということは、漠然と日本人もわかっていると思う。
しかし本書を読むと、その「貧しさ」の実体がはっきり見えてくる。
政府に「国づくり」のノウハウがない。あるいは、政府幹部が利権を追い求め国としての体を成してない……。
そしてその影で国民が貧困にあえいでいるという構図だ。
けれどもそれを指摘すると「レイシスト(人種差別者)」と非難される。
つまり、政治がうまくいかないのは植民地支配で教育訓練ができてないからだ……と。

しかし著者は「国民を食い物にしているアフリカ政府」を、はっきり批判する。
名著『カラシニコフ』の著者だけあり、綿密な取材がなされており説得力もある。

今アフリカには、豊富な資源を狙って中国人が入り込んでいる。
一方でアフリカの大学で学んだ学生は、たいていが国外に出る。
国内では食べていけない。給料が天と地ほど違うからだ。
これでは何のための教育かわからない。

ワールドカップ開催が決まっている南アフリカヨハネスブルグでは
犯罪が日常茶飯事だ。本当に大丈夫かという気になる。

アフリカの現状と将来を知る上で、必読の本だと言えるだろう。
単に漫然と「援助」しているだけではダメなのだ。
(レビュー日:2008-09-15)

アフリカの今を知るホットな一冊

 日本のメディアではめったに登場しないアフリカ。そこで住む人たちに迫った
一冊です(朝日新聞に06年から08年あたりに掲載された記事を増補改訂している)。

・アフリカで最も恵まれた状態で独立したジンバブエで何故にあれほどの
 ハイパーインフレが起きているのか?
・アパルトヘイトが終わり、黒人も普通の権利を持てる国になった(それも
 ワールドカップを開けるくらいの力を持った)南アの憂うべき治安状況とは
 何なのか?
・資源国へ急速に浸透する中国の姿とは?
・縁もゆかりもないアフリカ人が、何故地球の裏側の日本にそれも急速に
 入って来ているのか?
・真に有効な援助とは何のか?二人の日本人社長の奮闘を通じて考えてみる。

 この本を読むと「無能な国民はいない、いるのは無能な国家なのだ」という
ことが良く分かります。無能な政府が有る限り、そこにどんな援助を投入して
も、結局は数年前の様に借金棒引きをしてしまうだけです(その上、援助自体
は本当にそれを欲する人の所へ行かないのだ)。

 アフリカの抱える問題をコンパクトに且つ分かりやすく纏めた一冊。
お勧めです。

附:「アフリカ−苦悩する大陸」と併読するとさらに理解が広がります。
(レビュー日:2008-09-15)

スローライフ―緩急自在のすすめ (岩波新書)

スローライフ―緩急自在のすすめ (岩波新書)
筑紫 哲也

通常3〜5週間以内に発送 (2008/11/22 06:00:05(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 735 (ISBN : 4004310105, 2006-04)


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そんなにあせってもしょうがないですね

子供の目に輝きがない。外国の方が日本で生活すると
子供の声の少なさに気がつくそうです。公園で遊ぶ子供の
声がうるさいと言って、公園に設置してある噴水の水を出す
ことを中止した自治体があったそうです。窓を開けると子供の
声が聞こえるってなにか幸せですね。
 私の家の前の道は私道ですので子供の声が何時も聞こえ
ます。何も毎日せこせこ仕事することも無いな。と思える一冊です。


(レビュー日:2007-10-19)

道草をしなくなった日本人

「スローライフ」、「IT技術の発展」、「マクドナルド」、「心の病」これらは本書の中で取り上げられているキーワードである。もちろんスローライフと密接なかかわりをもつ。

IT技術の発展により、我われは「ドックイヤー」(つまりかつての7年が1年に匹敵する)とよばれる時代を生きるようになった。筆者は「ITで人は幸せになれるのだろうか」という問いかけをしている。また、マクドナルドに代表されるファーストフードの氾濫、さらに荒れた食生活が身体だけでなく、我われの脳や心にも大きく影響を与えようとしている。

そうした中で、「スローライフ」というものをキーワードにスローに生きることの意味、可能性を全国各地の食生活、教育、旅の実例を交えて考えてみる本だ。

読んでいくと、かなり深く、深刻な現実も目に飛び込んでくる。
例えば沖縄県。平均寿命をみてみると、女性は依然として全国一位。だが男性はなんと26位に転落してしまったらしい。沖縄の食、とくに外食の「非沖縄化」を原因のひとつとして取り上げていた。日本は世界でも長寿の国であるが、これほど老後に不安を抱えたくにも珍しいと指摘する。

これから、スローな生活を送りたいと考えている人にとっては、多少なりともヒントを与えてくれる本ではないだろうか。
(レビュー日:2007-10-07)

なるほどです

いかにも「筑紫」さんの空気流れるエッセイですね。

News23でもイタリアに取材に行き、スローライフのすばらしさを
説いていたのを思い出しました。来年から仕事に出る自分としては
頭の中の片隅に必ずおいておきたい作品です。

「人は何故勝たなければいけないのか」

最後の一言はきましたね。「勝ち」の定義は?という問いはありますが
何故?と問いかけられたことは初めてでした。まだファストライフ?を
経験していませんが、「ふう」と一休憩するときに読みたいですね。
(レビュー日:2007-01-12)

あれかこれかでなく、今‐ここを生きるヒント。

正直、TVで拝見する硬骨ジャーナリストとしての知見は兎も角、人柄は、余り好きではなかった。
この本を読むまでは。
グローバル化とIT革命全盛の中で、本書を貫くメッセージ「それで人間(人類)は、今より幸せになれるんでしょうか」は、ある意味、究極の問いである。
「スローライフ」が、それに対する満点の答えではないことは著者もわかっているようだ。
精精が、グローバル化の潮流に抗うオルタナティヴな選択肢の一つ、それも限りなく、地に脚の着いた。
白か黒かの二者択一思考(アンチテーゼ)に明日があるとは思えない。
あれも、これも(例えば、IT+スローライフ)、である。
そう考えると、自分で考え、自分で選択し、自分の脚で歩いてゆくための、大切なヒントに満ちた本ではある。

(レビュー日:2007-01-08)

独特のゆったりした語り口で語られる「豊かな生活」読本です

有名ニュースキャスターにして、ジャーナリストでもある著者が、月刊読書誌に「緩急自在のすすめ」と題して連載したエッセイをまとめたものです。本のオビにも「ゆっくり、ゆったり、ゆたかに」とある通り、内容は「スローライフ」というよりは、「ゆたかに生きるためには」というエッセイといえるかと思います。また、こういった連載物をまとめた本の常として、話材があちこちに飛びますし、著者の意見に全て賛同というわけでもありません。
ただ、「食」「旅」「教育」という面を中心に、「隅田川ほとりの7福神めぐり」「早大旅の会」「JR西日本の事故」「自由の森大学」等々、著者独特のゆったりした語り口で語られる豊富な話在は、どれも興味深く読めると共に、今のような性急な生活をしていていいのかあと反省もさせられました。
2〜3時間もあれば、読める本ですので、たまには、このような本を手に週末を過し、人生の様々なことどもを考えてみるのも良いのではないでしょうか。
(レビュー日:2006-11-17)

論語 (岩波文庫)

論語 (岩波文庫)
[翻訳]金谷 治

通常24時間以内に発送 (2008/11/22 06:00:05(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 840 (ISBN : 4003320212, 1999-11)


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シンプルすぎ?

 訳は極く単純明快。あっさりとした解説に留めてある。

読み下し文は、文語文なのだから旧かなづかいにして欲しかった。
(レビュー日:2008-11-09)

『論語』の凄さ。

私は、中国の古典に関しては兵法書を中心に学んでいたので、『論語』は少し軽視していたのですが、改めて読み直してみると、やっぱり『論語』は凄いです。実践的な処世訓としては兵法書の方が優れていると思いますが、人の生きるべき《道》を正す、という点では『論語』の方が格段に優れています。どちらが正しいという問題ではなく、両者を同時に学ぶのが、一番、実践的な役に立つ読み方だと思います。
(レビュー日:2008-09-07)

やっと理解できたと言いたい

数十年以前にも、別の著者のを手にとって見たが、つまらん本だなと思っていた。しかしこの著者の「大学、中庸」を読んですばらしい!と、目に鱗の感動を得ました。そして何となくこの著者の「論語」も読んでみようとおもい、読んでみたら理解できるではないか!ああ、やっと「論語」が理解できる!と、自分も嬉しく感動を覚えました。ま、以前は、仕事が忙しく考える余裕もなかったのですが、今は、なんとか読める余裕がでてきたので「よかった〜!」人生のの贈り物のようでした。
(レビュー日:2008-07-18)

単純な解釈書

 私は井上靖作の「孔子」を読んで論語に興味を持ち、ぜひ論語を読んでみようと思ったのですが、その解釈書の多いこと、多いこと。まぁ、ある程度の認識(大したことはありませんが。)と学生である私にとって単に白文+書き下し文+現代語訳の構成となっているこの本はちょうどよかったです。所々に人物の注などものっており、役に立ちました。論語には、当然ですが、様々な解釈があるのですが、この本はたぶん著者の意志によりごちゃ混ぜになっているようです。何でこの場所は敢えてこの解釈をとり、ここではこの解釈を取るのだろう?と考えるのもちょっと楽しいです。
 総合的に考えるとこの本は結構現代語訳が簡単になっているのである程度孔子のことを知って自分なりの解釈を持ってから読むといいと思います。漢文を勉強しようと思っている人には合っているかもしれません。
(レビュー日:2008-03-14)

バラバラなのが・・

古くからの礼節を事細かく、まさに散らばった宝石のように記されていた。
多少は区分けしてある物の、ジャンル別にわければ実用本になるのではないでしょうか。
(レビュー日:2008-02-04)


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