大前 研一
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(ISBN : 4062150263, 2008-11-11)
驚くべき、凄い内容!!
ロシアというより、旧ソ連邦への反発、無視の態度は、
何よりワシントン詣でを優先させる保守党の歴代総理
外務省のいわゆる北方領土一括返還のドグマ
西シベリアで強制労働に服した旧軍人及び親族等
それらが、ない混ぜの状態から産まれ、定着してしまったのか。
国民心理は変えられるかもしれないが、
政治的に対米一辺倒乃至従属からの変更を宣告できるだろうか。
主張した途端に、CIAに右翼に狙われるか。故田中角栄の例もある。
しかれども、誰かがやっていかなきゃ、国の地域の将来の絵を描き、
図を引く事が出来ない点は、痛いほどに伝わってくる。
何と凄い男が存するんだろう。この国も未だ捨てたものでない。
(レビュー日:2008-11-14)
信用できない国・ロシア
資源国として台頭著しいロシアではあるが、サブプライムショックで海外資金が流出し、新興国の特徴である経済の基盤の弱さが露呈した。
日本の大企業が合弁で技術供与だけしてそのあと騙されて締め出されている事例を見ても、ロシアはとても信用できる国ではない。事実上、KGBをバックにしたプーチンの独裁国家でもある。ちょっと前までは、原子力潜水艦の解体ができずに海へ投棄するようなモラルの低い国でもあった。現状ではとても一緒に協力していけるような国ではない。
大前氏の歴史観や見解は大いに疑問を感じるが、ロシアの税制や官僚制度や世論などなかなか知ることができない貴重な情報もあり、その点では大いに役に立った。
(レビュー日:2008-11-14)
ロシアって、そんな国なんだ
大前研一さん、久々のヒット企画ではないだろうか。
ロシアという国を知らなきゃいけないとは思いつつ、ずっと後回しにしてきた。
やはり中国やアメリカを知ることが、知識としても実務上も重要だと思ったからだ。
そういう意味で、いま本書に出会えたのは幸せだった。
少なくとも大半の日本人より、自分はロシア通になれた。
特に後半、「10年後の世界観」を読み解き、そのなかでロシアがどのような役割を
果たすのか、という考察はとても刺激的で面白い。
そうかー、ロシアはEUに入るのか。
「こうすれば儲かる」といった軽薄なビジネス書では飽き足らない人にお勧めである。
(レビュー日:2008-11-13)
資源高で復興するロシアだが・・・・・
ロシアは資源大国であり、対日感情も極めて良好。またITに関する人材も豊富で
消費国としても将来性有望なのだから、過去の政治的経緯は忘れロシアと共に歩むべし
というのが大前氏の意見。また政治・経済問題でもプーチンが再登板する可能性の指摘、
フラットタックス制をとっている等は初めて知り大変勉強になった。
ロシア経済をダイナミックに描いた良書だと思う。しかし、疑問点が少なからずある。
第一に、ロシアは大前氏がいうほど西側諸国にとって脅威ではなくなったのだろうか、
上海条約機構が西側諸国に対抗する安全保障的意味合い持つことは言うまでもなく、
EUよりの政策をとり続けたウクライナにパイプラインを絞り、ロシアにエネルギーを
依存するEUに強い不安を抱かせたのは記憶に新しい。
第ニに、リーマンショク、グルジア侵攻後のルーブル安、原油価格の低下、株式相場下落等
ロシアは08年に世界で最も経済的打撃を受けた国の一つであることは間違いない。
長期的に世界経済が安定し、また加速していけば話は別だが、今は全く先が見えない状況だ。
第三に大前氏のいう「終戦当時の日本の歴史に対する誤解」(P15)とは「北方四島が
ソ連領になったのはアメリカが譲ったからだ。ということになる。」(P224)
を指していると思われるがこの歴史観には全く賛成できない。
私は大前氏の著書の熱心な読者であるが、この本については、政治・経済・歴史ともに
賛成できない部分が多かった。
(レビュー日:2008-11-12)
先入観を排した今現在の生のロシアを知ると共に、世界のダイナミックな潮流を知ることができる良書
統計によると日本人がロシアに対するイメージは良くないそうです。私自身最近のロシアに対して新興国ということは漠然とは理解していましたが、半ば無意識にネガティブなイメージしか沸かない(どこか得体の知れない怖い国と言った方が良いかも)というのが正直な所でした。
ですがそもそもどうしてそう感じるのかをよく考えると、学校で習うような歴史観、その延長で今に続く北方領土問題、民主主義・資本主義というイメージが弱い、中国と仲が良いイメージで共産圏というイメージ(中国とごっちゃになっている)、どこか強権的で危険という潜在的な仮想敵国というイメージ、といったもので私は若者世代で実際にソ連やロシアの脅威を受けたわけでもなく、マスコミの報道や学校からの知識で漠然と上記のような知識から無意識にネガティブなイメージを抱いているようです(特にロシア=北方領土問題という単純なイメージが強い)。単に得体が知れないことも要因だと思います。そう考えると自分がいかに実際の日本の隣人である今現在のロシアについて無知であるかを気付かされます。
ちょうど今現在の生のロシアについて知りたかったこともあり、今回の大前氏のロシアに関する書籍も渡りに船と発売日に購入して読んで見ましたが、単に机上のロシア分析という感じではなく、今現在の生のロシアが分かりやすく理解できとても良い本だと思いました(若干ボリューム少なめかもしれませんが)。特に親日感情が強い事や教育水準が高いという事実には新鮮に驚きましたし、ソ連崩壊でロシアが誕生したは良いが経済がひっくり返り、最近までどん底でまさに地獄の苦しみの中からプーチン改革で復活した経緯、現在のロシア経済、官僚機構などのロシアの欠点・これからの課題、ロシアの視点から見たチェチェンなどの問題など(ロシア側の事情)、今まで知らなかった生のロシアという印象の情報が得ることができたのがとても良かったと思いますし、とても興味深い内容でした(私が知らな過ぎたのもあると思いますが)。
加えてロシアがこれから世界でどういう立ち位置に向かおうとしているのかをEUとの関係も絡め、世界の潮流・世界の未来といった世界がどこへ向かっているのかという広い視野のもとダイナミックな視点で捉える内容となっています(単純に面白い)。
というわけで先入観を排した今現在の生のロシアとロシアの重要性を知ると共に、世界のダイナミックな動きを知ることができ(こっちの方が重要かも)、条件反射的なアメリカや中国一辺倒な視点からもっと広い視野で世界の中の日本の行く末を考えるきっかけとなる良書だと思います。少なくとも内容の真偽はともかく、先入観を無くしてロシアについて考え、隣人としてどう付き合うのかを考えるきっかけにはなると思います。おすすめです。
(レビュー日:2008-11-12)