(株)平凡社

最終更新日: 2008/11/22 04:47:43

出版者情報

国別記号 4
出版社記号 256
出版者名 (株)平凡社 [Google] [Yahoo!] [Wikipedia] [Books.or.jp]
ヨミ ヘイボンシヤ
url http://www.heibonsha.co.jp

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21世紀の国富論

21世紀の国富論
原 丈人

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¥ 1,470 (ISBN : 4582833578, 2007-06-21)


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素晴らしい

数年間に渡る、氏の講演・レポートの内容がまとまっています。
講演・レポート各々の迫力までは伝わってきませんが、
(本として一冊にまとめるための編集により)
それらが一冊にまとまっている利点がそれを遥かに上回りお薦めです。
(レビュー日:2008-11-08)

この先、世界が進むべき道

ベンチャーキャピタリストとして世界中のベンチャー企業の育成に携わっている著者が、世界の主流となっている現在の資本主義のあり方と、今後日本が(あるいは世界が)向かって行く道を提言しています。

著者は、株主価値を高め、短期的に株価を上げることのみに固執している現在の企業経営が、いかに愚かなものか批判しており、企業は国や地域社会に長期的に貢献できる存在でなかればいけないと主張します。

ここ20年で現在の資本主義は崩壊すると著者は予言していますが、奇しくもサブプライムローンを発端とする金融不安でアメリカ主導の資本主義のあり方は崩壊しました。今後数年かけて、世界で今後の資本主義のあり方を模索していくことになると思いますが、筆者の主張する本当に社会に貢献できる企業こそが活躍できる市場が生まれればと思いました。
(レビュー日:2008-10-19)

何が言いたいのかわからない

冒頭から森本卓郎や北畑事務次官が言いそうな世相批判が延々続くので読む気をなくしてしまう。よって何が言いたいのかわからなかった。
(レビュー日:2008-10-04)

こんな日本人がいるということ自体うれしい

ベンチャーキャピタリストとして世界中で数々のベンチャー企業を
育成してきた著者が、テクノロジーの進化を通じて資本主義の未来と
日本が取るべき道を示した本。
表紙の「21世紀の」という文字が小さいことから、パッと見は『国富論』。
かのアダム・スミスの歴史的著作に劣らないという自信があったのでしょう。

アメリカでは、ROEや時価会計主義など行き過ぎた株主偏重のおかげで、
資本主義が破綻しきっていると言います。
そして、そのアメリカの真似ばかりしている日本はもっとひどいと。
著者がPUC(Pervasive Ubiquitous Communications)と呼ぶ
次世代アーキチャクチャーはコンピュータに代わる新しい基幹産業に
なる可能性があり、その勃興は日本が世界から尊敬される国になるための
ラストチャンスであるというのが本書の主張です。
そのために提案する株式市場改革や、税率を下げる提案などが、
やや説得力が不十分な印象なのですが、
ものすごいビジョンを持った人だということは間違いなさそうです。
こんな日本人がいるということ自体がうれしかったりします。

著者の考えは壮大すぎたり、また財務、経営、テクノロジーなど
専門的な話にも切り込んでいるため、
いきなり読んでも理解が及ばない部分が多いかもしれません。
糸井重里さんとの対談に目を通してから
本書を読むことをオススメします。
(レビュー日:2008-09-12)

筋金入りの「技術系オタク」

先日TVに出演したことがきっかけで一気にブレーク中の筆者。
肩書きもお金も沢山ある筋金入りの「技術系オタク」です。

「国富論」とタイトルに掲げられているが、本書を読むと
金融界を跋扈している金儲けしか頭にないベンチャーキャピタリスト、
ヘッジファンドといった輩が大嫌いで、PUCという次世代型の
ユビキタス・テクノロジーに情熱を注いでいるということが
よくわかります。

GoogleやらYouTubeをひたすら礼讃するばかりの某「IT系オタク」
と比べると、実行力があって、異色な存在です。
これからますますその動向に目が離せません!


(レビュー日:2008-08-30)

日本の猫カレンダー 2009 (2009)

日本の猫カレンダー 2009 (2009)
[写真]岩合 光昭

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¥ 1,260 (ISBN : 4582645313, 2008-10)


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「やっぱり味噌汁は、温かくておいしい♪」という感じ

岩合光昭さんの写真は、日本猫もやはりいいですね。
とってもほのぼのとして温かく落ち着きます。

いま、家には13個の猫関係カレンダーがあります。
そのカレンダーの中でも、家族や来客には、「日本の猫 岩合光昭」がいちばん評判が良かったです。

猫の写真が味わい深いうえに、カレンダーの文字(たま)が太くて読みやすい、年中行事や陰暦月暦情報が載っているところにも、うちの両親は喜んでいました。

(レビュー日:2008-11-06)

昔ながらの日本の猫は、日本の家になじんでいます。

昔ながらの日本の猫は、日本の家になじんでいます。
だから、日本の猫のカレンダーは、安心感がある。

猫を見て、ほっとしたい人にお勧め。
猫を取らせたら、この人の右に出る人は数少ないといわれている岩合氏の写真だから安心できる面もあるかも。
(レビュー日:2008-10-20)

白川静 漢字の世界観 (平凡社新書 440)

白川静 漢字の世界観 (平凡社新書 440)
松岡 正剛

通常3〜4日以内に発送 (2008/11/22 04:47:44(日本時間)時点 -詳細はこちら-)

¥ 819 (ISBN : 4582854400, 2008-11-15)


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白川静学への入門

 今までありそうでなかった白川静についての単著。比類なき知の巨人の生涯と人となりをみていき、その壮大な学問体系の意義を考える。
 漢字が目くらまんばかりの中国文明の象徴であることは十二分に論じられているが、白川氏は、その呪術性を見出し、古代中国の素朴な息吹や、それをたくましく取り込んだ古代日本人の精神に鋭く切り込んだ。
 その手法は厳密に普通の意味での合理主義や実証主義とは相いれない部分があり、批判を招いた部分もあったが、その形式的な理性・実証主義を乗り越えた研究の評価については、ようやく最近では学界の多くも彼に追いついたと言えよう。
 白川氏は日本文化を「文字遊ぶ」文化であり、「あはれ」「おかしさ」を重んじたとする。万葉仮名から続くその伝統は、今日ではギャル文字、ネットスラング、アスキーアートなどに脈々と受け継がれている。氏は晩年もニンテンドーDSに興じていたというから、常に最新の文化にたくましく対応していたわけだ。
 しかしながら、また一転して今日の漢字や文字、ことばをないがしろにした風潮も気にかかる。一度来歴をかえりみるのも決して悪いことではあるまい。
(レビュー日:2008-11-18)

ニッポンの犬カレンダー 2009年 (2009)

ニッポンの犬カレンダー 2009年 (2009)
[写真]岩合 光昭

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¥ 1,260 (ISBN : 4582645305, 2008-10)


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日本の犬

日本犬の良さを写真の中で読み取ることができる。さすが、岩合さん!!
去年と同じ場所の別ショットはあるけど・・・・
二種類あるカレンダーのうちこっちのほうが、いい写真を使っているように思える。
(レビュー日:2008-11-08)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
渡辺 京二

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¥ 1,995 (ISBN : 4582765521, 2005-09)


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私たちの失った慕わしい世界

古い日本を目撃した多くの外国人の証言に触れられると思い読んでみた。期待以上の成果に驚いている。今や暗い江戸の農民のイメージはあとかたもなく、かわりに陽気で人好きのする幸福そうな人々が美しい自然の中でおおらかに暮らしている様がいきいきと浮かんでくる。分厚い評論なのに、第一章がやや難解だっただけで、あとはすっかり引き込まれてしまった。渡辺氏の美しい文章で滅亡した古い日本の文明を追体験できた事は幸せだった。
私たちが今伝統とよんでいる茶の湯や生け花などの事象は、「若き日本」を構成する「新たな寄木細工の一部分として、現代文明的な意味関連のうちに存在せしめられているに過ぎない」。「死んだのは文明であり、それが培った心性である。民族の特性は新たな文明の装いをつけて性懲りもなく再現するが、いったん死に絶えた心性はふたたび戻っては来ない。たとえば昔の日本人の表情を飾ったあのほほえみは、それを生んだ古い心性とともに、永久に消え去ったのである」。渡辺氏はこうした表現で、現代の日本の文明が、近代以前の文明の変容ではなく、滅亡の後に生まれたものだと主張する。古い日本の扼殺と葬送の上に近代のドラマは始まった。これは歴史の必然である。近代化は独立と繁栄を支えた。現代の日本人は先進国の一員であり、豊かさと便利さと自由を手にしたはずなのに、古い文明に生きた江戸の人々ほど幸福でないのはどうしたことだろうか。
当時日本の庶民世界に惚れ込んだ西洋人たちは、西欧的な心の垣根の高さに疲れていた。「確乎たる個の自覚を抱くことがそれほどよいことであったか」、幸福とは時に進歩とは逆の方向にあるのかもしれない。心の垣根を高くした私たちは、かつての日本文明に触れることで戻れない道に置いて来た忘れ物を見つけられるのかもしれない。
(レビュー日:2008-05-07)

ポストモダンは日本人のDNAにあった!

ある種センチメンタルというかポエティックというか小説のようなタイトルの書物だけど、どっこい骨太な600ページにもおよぶ近代批判の思想エッセイ。

といってもご心配なく。

難しい思想をこねくりまわすポストモダンの思想書とはまったくおもむきを異にする、具体的に美しい世界が目に見えるように展開していく快感の書です♪

日本人であることのDNAがざわめきます。

ここで展開される情報の海は、決して回顧趣味的なノスタルジーに浸って癒される、という類のものではありません。現代に生きるボクらのスピリットが触発され未来へと放たれる力をもった、超具体的な情報の集積であると断言しておきましょう。

歴史を学ぶとはいたずらに過去を顧みることではありません。

歴史とは ”いま” を生きる意識レベルに応じ写し出される ”鏡” そのものであり、その意味では通時的な ”かつて” ではなく共時的な ”いま” でしかないわけです。

そういう意識でもって読んで欲しい本です。

江戸末期から明治にかけての激動期に失われたものの本質がこのように語られ、そしてそのことを素直に学べるようになったということは、ようやくボクらの精神が近現代社会という重いマトリクスから抜け出したことの証しなわけです。

先ずは日本人から。

そう、”ポストモダン”というのは決してヨーロッパの特権的難解思想の果てにあるモノなんぞではなくて、そもそも日本人のDNAにこそあったわけです。
(レビュー日:2008-03-09)

意外なエピソードに満ちた幕末・明治の日本

幕末・明治期の欧米人による日本見聞録の多くに、日本人は社交的で機嫌よく少々子どもっぽいが幸せそうに見えると著されているという。いずれも現在の日本人とは正反対に思えるくらい意外なものだ。そして欧米人の数ある驚きのなかでも最大のものは、物質的には最低限しか所有していないように見える一般庶民が、簡素ながら清潔で美的センスに彩られた彼らの日常生活にすっかり満足して幸福そうに見えることだったという。

著者は付和雷同しやすい等、現在も変わらない個々の性向はあるにしても、それらの総体としての江戸期日本に特有の文明は既に滅びていて、本書の目的はそれを豊富な史料を使って追体験することだという。実際本書の魅力は、日本見聞録から引用された数多くの意外なエピソードだ。例えば、一般庶民の外国人に対する好奇心は度を越していたようで「トージン、バカ」とはやしたり、所かまわず寝室まで覗き見るなど無神経の域に達していたというのには笑った。「まるで体操のように、息をシューシューいわせながら、手を膝から足まで下げるお辞儀を繰り返した後、その姿勢のままで長い口上を早口で述べ合う」という当時の挨拶風景は、まるでイスラム教徒の礼拝のようだ。「来日した西洋人を仰天させた習俗に、公然たる裸体と混浴の習慣があったことは広く知られている」なんて知らなかった。

少し物足りなかったのは、体を動かすよりも声を合わせて歌う時間のほうが長い肉体労働の仕方は欧米ではあり得ないといった類の記述について、この種の感想は市場経済の浸透度の高い社会に属する人間が、それが低い社会を観察した場合に普遍的に感じること(例えば現代の日本人が発展途上国に旅行した際の感覚と同じ)だと思う。日本見聞録に描かれた現象が、前工業化社会なら世界共通して観察できる普遍的な現象なのか、それとも江戸期日本に特殊な現象なのかが、より意識的に分別されていればよかったと思う。
(レビュー日:2008-03-07)

何度も読み返したい

「地域をデザインする―フラードームの窓から見た持続可能な社会(駒宮博男著)」で紹介されているので読んだ。渡辺京二氏は繰返し「私の意図するのは古きよき日本の愛惜でもなければ、それへの追慕でもない。私の意図はただ(外国人の残した記録を通じて)ひとつの滅んだ(江戸時代後期に完成された)文明の諸相を追体験することにある」と学者らしく述べている。それは確かに正しいのだろうが、私をはじめほとんどの読者は愛惜と追慕を強烈に感じながら追体験し、決してこの文明は滅んではいないのだと密かに思っているはずである。著者の意図には反するのだろうが、そんな読み方でも全く構わないと思わせるような本である。繰返し読み続けたい。」
(レビュー日:2008-02-20)

本当に逝ってしまったのか?

ずっとずっと、もやもやと疑問に思っていた事が、この本を読んで氷解した。
平成のこの現在、わが国は世界一の借金国となり国家破産寸前の様相である。
外交も国策も何も変革すらされず、事態は悪くなるばかり、なのに・・なのに
国民のこの危機感の無さ、デモひとつ暴動すら起こらぬ平穏さは何だ?
戦後、戦勝国を恨むことを一切せず、尊敬や憧れまで抱き親密に付き合い
敵国を一切想定せずにひたすらに働き汗して平和国家を築いてきた日本。
その本質的根底には渡辺氏の言う失われた「独特の国民性」が脈々と
流れているのではないだろうか?
庶民にすれば「すべてはお上のやった事」または「やってる事」なんではないか?
戦争に負けたのも「お上」破産しそうなのも「お上」我関せずじゃないのか?
この逝ってしまったと思われている愉快で明るい楽園の住人たちは、実は
たいして変わらぬ心情で今もこの国の大半を占めているのではないか?
熊さん八っつぁんの笑いは今も生き続け、寅さんの気楽さは理想とされて
TVの中はお笑いに占領されて、政治家や役人のスキャンダルは庶民の娯楽となり
飲んで歌ってブランド品集めが大好きで、国がどうあれ楽しく生きてりゃ
それで充分!そんな世相は相変わらずのわが国ではないだろうか?
今だ外国人からみれば充分に不思議な国として存在している気がする。
現代日本にずっとずっと違和感を抱きながらも、なんとなく気楽に生きてしまった
自分の中のDNAを再発見させられたような一冊であった。
自分の中にある何か不思議な「正体」が解ったような気がして、うれしくなった。
(レビュー日:2008-02-10)

息の発見

息の発見
五木 寛之; 玄侑宗久;

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¥ 1,470 (ISBN : 4582834051, 2008-10-07)


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茗荷谷の猫

茗荷谷の猫
木内 昇

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¥ 1,470 (ISBN : 458283406X, 2008-09-06)


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ままならぬこと、それが人生さ

 どの物語に登場する人も不思議なこだわりを持っていました。桜に命をかけた人も、映画監督になるのが夢だった人も、他のことなどには目もくれず、自分の理想に近づこうと必死でした。
 そんな中で異彩を放っていたのが「隠れる」の耕吉さんです。意味のあることはしないようにしよう。誰とも仲良くしないでいこうと努力し続けるのがあんなにむずかしいとは。
 人生とはままならぬことの連続です。みんなと仲良くしていきたいと思う人には友達ができず、放っておいてくれと思っている人には、うるさく付きまとう人がいたりするのです。努力したからそれが報われるとは限らないし、ぼうっとしていても上手くいってしまうこともあります。
 信じていた人に裏切られ、あてにしていなかった人に助けられ、気にして欲しい人には無視され、どうでもいい人に好かれてしまい、ああ、どうすればいいのでしょう!

 9つの物語は関係なさそうな顔をして、でも、そうっとつながっています。この世に生きている限り、みんなどこかでつながっているということなのでしょう。
 どの物語を読んでも、その時代に生きていたわけでもないのに、なんだか懐かしさを感じてしまうのが不思議でした。
どこか知らないところで、わたしもつながっているということなのでしょうか。
(レビュー日:2008-10-08)

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える (平凡社新書 431)

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える (平凡社新書 431)
八代 嘉美

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¥ 693 (ISBN : 4582854311, 2008-07-15)


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科学者と倫理

 iPS細胞の前に研究されていたES細胞は、iPS細胞とまったく同じ働きをするが、人間の胚を使うため、倫理的な問題があった。確かに、胚はそのままにしておけば人間の赤ちゃんになるので、殺人と言えなくもない。しかし、私はそれには問題がないと思う。これから生まれてくる赤ん坊の胚を使ったのなら問題があるが、この本によれば、使ったのは不要で、そのままだと廃棄されてしまうものである。私たちは生命あるものを殺さねば生きていけないようになっている。そういう意味では、みんなが罪を背負っており、このような問題について完全に「反対」と言えるはずがない。ES細胞が病気や事故に遭った人を救えるなら、研究を進めるべきだ。その点、iPS細胞は倫理的に問題なく、実用化が待たれる。
 ひとつ気になったのが、ES細胞研究をする科学者はより高い倫理性を持たねばならないという記述である。しかし、これは科学の本質を誤って捉えている。科学者を外部から倫理的に規制するのは可能だ。しかし、科学者自身にそれを持てと言うのは無理である。科学とは、下り坂を転がるボールのように、時が経てば経つほどより勢いを増し、ひとつの方向に向かって発展していくものだからだ。科学者は、自分ではその勢いを止めることはできない。マンハッタン計画がいい例である。計画のリーダーだったオッペンハイマーは原爆を創り出し、その後でその脅威を悟り、核反対論者になった。科学はブレーキの壊れた車のようなものだ。強制的に止めなければ、とんでもない方向に進む恐れがある。私たちは常にそのことを肝に銘じておくべきだ。
 そのあたり、山中教授の作ったiPS細胞は倫理的にも大丈夫であり、悪用される危険もなさそうだ。ぜひ日本人の手で実用化してほしいものである。
(レビュー日:2008-11-02)

生命の神秘的な世界が広がっていきます。

「iPS細胞」とは最近耳にすることが多くなったトレンディーな言葉です。
つい最近も新聞紙上で女子大生がクローンマウスをつくったということが掲載されていました。
本書は羊のクローン化が成功したES細胞に関する仕組みの説明から始まり、iPS細胞の誕生からその仕組みを専門的な見地に立脚して説明してあります。
一般の方々が読める程度に仕上げているとのことですが、未来への希望をもたらす最先端研究であり、すべての仕組みを十分理解するにはギリギリのところがあると思います。
とにかく説明の前後を忘れないうちに一気に読み上げることと、何度も読み返すことで理解は深まると思います。
「いのちの仕組み」について、かなり突っ込んだところまで書かれており、実に神秘的な世界が繰り広がっていきます。
現在、医療はある意味対症療法しかないですが、近い将来には再生医療といった”造る医療”の形に変わってくるというのが感じられます。
大学では生命科学系の学科が急増しており、今後ますます発展していく分野であると思います。
著者はこの最前線医学を研究している過程で、本題以外に生命倫理から国の支援状況に至るまで情熱的に伝えると共に多くの読者にこの研究に対して関心を抱いてもらうよう働きかけています。
(レビュー日:2008-10-20)

iPS細胞というより幹細胞研究紹介本

人工多能性幹細胞(iPS細胞)について紹介した本。大学院の博士課程という、まさに研究の現場にいる人が書いている。博士課程の院生は専門性を一番深めている時期。このように一般向けに平易に語ることができるのは、素晴らしい能力だ。また、日々の研究に追われるなかでの執筆と思われ、驚きである。

本書は、説明しようとする著者の心遣いが随所にうかがわれる。筆致は懇切丁寧である。SFであったり、絵画であったりという様々な例をさかんに出して説明している。iPS細胞があればES細胞はいらないという見解は誤解である、など予想される誤解も解こうと努めている。
専門用語を使わずに説明しよう、という配慮のもとで書かれている。遺伝子工学も記号の多い学問であるが、本書にはほとんど登場しない。山中ファクターの四つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)くらいは、記念にでも挙げておいたほうがよかったかもしれない。

本書は総じて丁寧に解説された本であり、iPS細胞を知りたい人には勧めることができる。しかし、本書にはやや「若書き」とでも言えるようなところがみられる。

まず、iPS細胞についての本としながら、iPS細胞の解説が登場するのは130ページ以上経った後である。これはiPS細胞というものの性質による。iPS細胞研究はES細胞の性質を体細胞に持たせよう、ということであるから、まずES細胞の説明が必要だ。ということで本書はES細胞の解説から始まり、一般的な発生の話、など経てようやくiPS細胞に到達する。教科書的な記述としてはもちろんこの順序となるだろう。しかし一般読者としてはiPS細胞にたどり着く前に飽きてしまうかもしれない。iPS細胞の本、というよりは幹細胞研究の本、と捉えたほうがよいか。

さらに、筆致が丁寧ながら淡白である。iPS細胞の発見が与えた社会的インパクトや、あるいは研究者の持つ情熱はあまり伝わらない。むしろ意図的に熱を排除しているようにも思われる。このあたりは科学ジャーナリストに任せるべきであろうか。

最後に、最終章について。ここではSFを援用しつつ、著者の科学観について語られている。何らかのビジョンを語りたいのだろう。しかし専門外であるからか、それまでに比べれば議論はかなり未熟である。この章は無くてもよかっただろう。

本書を通読して、驚きを覚える。それは、そもそも一般向けに積極的に語ろうとする強い心意気を持つということに対する驚きである。幹細胞研究のこれからの発展をこのような人が担うのだと考えると、頼もしい思いがする。今後が楽しみである。
(レビュー日:2008-10-15)

広範囲に本を読もうというときに加えるといい1冊かも

とても丁寧に、自分のようなまったくの素人にも分かるように書かれています。 もちろん最先端医療に関する高度な内容を対象にしているので難しい部分もあります(と自分は思った)。

それでも一般の人がたまにニュースや新聞で見かける言葉「ES細胞」や「iPS細胞」という言葉にひっかかりを持つための足がかりとして読んでおくといい本だと思います。

筒井康隆さん推薦らしいですが、なるほど小説の素材としても想像力が膨らむ話なのかもしれませんね。

個人的にはこんな若い著者がこれだけ魅力的な文章を書けるということに驚きました。 かなりの読書(SF小説?!)好きの人なんでしょうね。 あと、嘉美(よしみ)さん、男性です。
(レビュー日:2008-10-01)

理解が進みました。

著者は大学院博士課程の方です。大学院生の方は、ご自身も研究内容の理解を進めて、説明する機会も多いのでしょうか、とても丁寧に判りやすくお書きになられていて、ips細胞とは何であるか理解が進みました。ips細胞を知るためには、ES細胞を基礎知識に入れておく必要があり、そういった素人でもついていけるように予備知識も含めて解説してくれていますのが好感を持ちました。章毎にまとめもつけてくれています。さすがは、大学院生。親切だと思いました。
(レビュー日:2008-09-24)

むれねこ 2009年[卓上カレンダー] (2009)

むれねこ 2009年[卓上カレンダー] (2009)
[写真]岩合 光昭

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¥ 1,050 (ISBN : 458264533X, 2008-10)


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卓上の癒し空間

猫好きにはたまらない、「ねこ」でしかも「むれ」な写真カレンダー。
基本的な仕様は今年(2008年分)と同様で以下のようになっています。

・上半分が日付(カレンダー)、下半分がにゃんこ写真
・シール止めになっており、終わった月ははがしていく作り
・裏面に切り取り線(ミシン目ではない)が入っており、
 下半分の写真部分をポストカードにできる

終わった月の分を後ろにめくるのではなく、
はがしていくため以前(2007年分)よりも倒れにくくなっています。

写真ものにありがちな「写真の表面コーティングでボールペンのインクがはじかれる」
ということもなく、しっかり書き込みできます。

ただし、写真スペースの分カレンダースペースは狭くなっているので、
メモ出来るのは1日につきほんの1言分程度。
実用重視の方には少々物足りないでしょう

とにかく猫が好き、という人にはお勧めです。
(レビュー日:2008-10-21)

一匹の猫の表情を取るのも難しいが

卓上カレンダーも猫にしておけば、お客さんとも猫談義ができるかも。
さすがに卓上カレンダーまで自分の取った猫の写真で作るのは大変なので、
ありがたくプロの写真家のものを置いておくのをお勧めしたい。

一匹の猫の表情を取るのもむつかしいが、群れた猫の写真をとるのはさらに難しい。
見ていて飽きないカレンダー。
(レビュー日:2008-10-20)

日本の子犬 2009年[卓上カレンダー] (2009)

日本の子犬 2009年[卓上カレンダー] (2009)
[写真]岩合 光昭

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