私の手元に、40年ほど前の高校の地理の教科書がある。
アフリカは独立国は少なく、「仏領」「英領」などと書かれた国がたくさんある。
しかし今ではそれらの国はほとんど独立し、
今アフリカの地図を見るとまるでジグソーパズルかモザイクのように
小国が「乱立?」している。
これらの国の多くは貧しいということは、漠然と日本人もわかっていると思う。
しかし本書を読むと、その「貧しさ」の実体がはっきり見えてくる。
政府に「国づくり」のノウハウがない。あるいは、政府幹部が利権を追い求め国としての体を成してない……。
そしてその影で国民が貧困にあえいでいるという構図だ。
けれどもそれを指摘すると「レイシスト(人種差別者)」と非難される。
つまり、政治がうまくいかないのは植民地支配で教育訓練ができてないからだ……と。
しかし著者は「国民を食い物にしているアフリカ政府」を、はっきり批判する。
名著『カラシニコフ』の著者だけあり、綿密な取材がなされており説得力もある。
今アフリカには、豊富な資源を狙って中国人が入り込んでいる。
一方でアフリカの大学で学んだ学生は、たいていが国外に出る。
国内では食べていけない。給料が天と地ほど違うからだ。
これでは何のための教育かわからない。
ワールドカップ開催が決まっている南アフリカヨハネスブルグでは
犯罪が日常茶飯事だ。本当に大丈夫かという気になる。
アフリカの現状と将来を知る上で、必読の本だと言えるだろう。
単に漫然と「援助」しているだけではダメなのだ。
(レビュー日:2008-09-15)