母国語以外の「第二言語」習得のメカニズムについての諸研究がわかりやすく述べらている。
語り口も平易で非常に読みやすい。
第二言語習得に関しては、さまざまな仮説に基づくたくさんのアプローチが提案されており、
研究成果が積み重ねられている。本書は、一般読者がそれを俯瞰することのできる、
貴重な一冊である。
理論的な考え方とその実験結果がまとめられているが、実例の記述も豊富である。
たとえば 「小さいうちに外国に行けば、すべての子どもがいわゆるバイリンガルになれるわけではない」
という指摘は、言われてみれば当然のように感じるかも知れないが、ではどういう状態になってしまうのか、
現実にその実態を知らない者はショックを受けるかも知れない。
また私自身、米国で「Excuse us」という表現を聞いた時「ああ Excuse me の複数形バージョンか」と思い、
外国語習得のことに思いを巡らせたことがあるが、同じエピソードが紹介してあり、個人的にも納得できた。
日本人が英語などの外国語を学ぶにあたり、どのようなアプローチをとれば効果的かを考えるとき、
本書でまとめられている研究成果に基づくことは有益である。
また、今後は、外国人に日本語を教えるという場面も増えてくるだろう。そんなときにも、
本書はその指針を与えてくれる。
(レビュー日:2008-12-13)