文明の高度化によって、自由が蔓延し、個人が「生きる意味」を見出すことが難しい時代になっている。
このような時代だからこそ、「悩む力」によって、考え抜き、突き抜ける必要がある。
扱われているのは、人生における究極的な問題ばかり。
それらの問題に、漱石とマックス・ウェーバー、そして著者の視点から切り込む。
在日として苦悩の「青春時代」を送った著者の言葉には、大きな説得力がある。
だが、それは著者自身が「悩んだ」末の結論であり、それをただ読むだけでは無意味である。
そのような意味で、人生における究極の質問に対する、一種の「答え」がざっくばらんに書かれてある本書を、
個人が実際に「悩む」以前に読むことにどれだけの意味があるのだろうか。
「悩んだ」後に読むべき一冊である。
(レビュー日:2008-12-27)