テレビもゲームもネットもない時代の方が圧倒的に犯罪が多いという客観的事実や、ごく一般的な何の問題もない大多数のテレビ、ゲーム、ネット利用者の存在を無視して、
本心では子どもの教育などに関心のないただのニューメディア嫌いがニューメディアを貶めるためだけに、問題を抱えた少数の児童の例だけを集めて書いたトンデモ本。
例えばパンを食べた事のある人の中から、病人だけを集めて、他の可能性を一切考慮せず「パンは有害だ」と主張するようなものです。
文中に「珍説が実験の成果もなしに、立派な科学論文として世間に横行する時代でもあります。」と出てきますが、「ゲーム脳の恐怖」のことでしょうか?(笑)
前後の脈絡もなく、いきなり自作ポエムが挿入されるところや、妙に「神様」という単語が多いのも気になりますね。
「論文の真贋を見極める人間の見識が必要とされています」本文より抜粋。
その点だけは全く同感ですね。ぜひ真贋を見極める見識を持って、この類の偏向した本を真に受けないで下さい。
ちなみに、脳機能の日本最高権威、京大名誉教授の久保田競氏の書かれた「バカはなおせる」によれば「ゲームで脳が悪くなると心配するのはナンセンスで、むしろ逆の可能性がある、というのが最新の脳科学の見方」で、「書店に並ぶ脳の本のほとんどは、ヒトの脳機能については非専門の学者たちが科学雑誌の論文や新聞記事などを読んで誤解、曲解し、それをもとに妄想を展開している書籍が大部分」だそうですよ。
(レビュー日:2008-09-18)